スペルト小麦はグルテンフリー?
小麦粉で作られた食べ物が好きな人はたくさんいると思います。
例えばパン。おいしいですよね。
パスタ。おいしいですよね。
ピザ。おいしいですよね。
お好み焼き。おいしいですよね。
ラーメン。おいしいですよね。
他にも様々なものが小麦粉から作られています。もはや小麦粉無しでは人類は生きていけないかもしれません。
しかしこの小麦粉が人間の体調に異変を起こしているということも言われています。その原因となっているのが小麦粉に含まれるグルテンです。
これはテニスの世界的トッププレーヤージョコビッチが書いた本です。彼は実家がピザ屋。もうこれはピザ食べないわけにいきませんよね!勝手な予想ですが小さい頃からピザをたくさん食べて育ったのではないでしょうか。
小麦が引き起こす様々な症状
実は小麦は様々な症状を人間に引き起こすことがわかっています。
小麦アレルギー
これは小麦粉を食べると蕁麻疹が出たり下痢してしまったりする症状です。小麦粉が食べれないなんてかわいそう!って思うかもしれませんが、アレルギーを持っている場合はそんなことより大変なことがあるのです。
セリアック病
どこかで聞いたことがあるかもしれない病名、セリアック病。これは小麦に含まれるグルテンから自分の体を守ろうとして生じた抗体(これを自己抗体と呼びます)が、なんと自分自身を攻撃してしまうという病気です。小腸の粘膜にダメージを与えるといわれており、いわゆる自己免疫性疾患というやつです。読んで字のごとく、自らの免疫による病気ということです。
その他のグルテン過敏症
上記の2つに分類されなくても、小麦粉がダメな場合はグルテン過敏症、グルテン不耐症、不耐症と呼ばれます。要はあまり顕著な症状は見られないけれど、なんだか小麦粉を食べると調子悪い・・・といった感じです。小腸がおかしかったり、なんだか集中力がもたないみたいな感じで、疲れてるのかな?みたいな感じで片づけられることも多いかもしれません。
グルテンが体内に入ると何が起こるか
グルテンはたんぱく質の一種なのですが、消化が難しく、さらにはグルテンに含まれるグリアジンという成分が腸の透過性を高めてしまいます。透過性と聞くとなんだかいいような気もしますが、腸の透過性が高められるというのはいい意味ではなく、人間が持つ免疫力を下げる方向に働きます。要は腸の壁を薄くして、入ってきてはいけないものが腸の中に入ってしまったり、逆に腸から出てはいけないものが腸から出て行ってしまうということです。これはリーキーガット症候群と呼ばれる症状なので、聞いたことがあるかもしれません。
リーキーとはリーク(leak)という動詞の形容詞です。特ダネをリークしたなんて使われ方をすることもあるので聞いたことがあるかもしれませんが、要は「漏らす」という意味です。その形容詞ですから、漏れる、という意味ですね。ガットは腸という意味です。
これらが組み合わさった単語、リーキーガット。つまり漏れやすい腸ということなんです。
リーキーガット症候群になるとどうなるか
既に少し書きましたが、小腸からいろいろなものが漏れていきます。例えば食べ物。消化中の食べ物が小腸から体内に漏れていきます。それ以外だと腸内細菌。本来であれば腸内で食べ物の消化を行っているはずの腸内細菌が腸内から出て行ってしまうのです。
そしてこれの何がまずいかというと、体としては、本来はあるべき場所にないと認識してしまうのです。別の言い方をすると、体は異物が入ってきたと認識して、その異物に対する攻撃を始め、炎症を起こしてしまうのです。腸の中にある時は体に必要な栄養素であったのに、消化の途中で体内にリーク、漏れてしまったために、体から変なものが入ってきた!攻撃しなきゃ!と思われてしまい、結果体内に炎症を起こしてしまうというなんとも悲劇としか言いようのない状況が生まれるわけです。
スペルト小麦はグルテンフリーなのか
こういったことを防ぐためにグルテンフリーな生活を送る人も増えてきています。前出のジョコビッチもグルテンフリーな生活を始めてから成績が格段に伸びたそうです。圧倒的な強さを誇りますからね。日本のトップ選手である錦織圭選手のタイジョコビッチ対戦成績はなんと2勝16敗。15連敗中なんて情報もあるくらいです。
さて、スペルト小麦に話を戻すと、小麦粉なのにグルテンフリーなんて情報があります。しかし小麦粉ですからスペルト小麦はグルテンフリーではないようです。
では、どうしてそういった情報が出てきたのか。これにはスペルト小麦がいわゆる古代小麦であるということが関係していると思われます。というのもグルテン不耐症といった症状が出てきたのはつい最近なのです。古代小麦が食べられていた時代にはそんな症状はなかったわけです。そこから古代小麦であるスペルト小麦であればグルテン不耐性であっても食べれるのでは?といった情報が出てきてしまったようです。
確かに現代小麦とは異なるので、グルテン不耐性な人であっても全く同じ症状は出ないかもしれませんが、やはりグルテンは含まれているようなので、注意した方がいいと思われますね。